ワケあり!?社内恋愛
 
「那月さん」
「え?」


いまだにぶつぶつと文句を言っている那月さんのもとへ、ずいと歩み寄った。

足の間に入り込むように、下から顔を覗き込んで……。


「嫌ですか?
 そんなにあたしへの気持ちを認めるの」

「ばっ……んなわけねぇだろ」

「じゃあ、いいじゃないですか。
 …亜由美さんには感謝しないと」

「……それは……分かってるよ」


少しだけ頬を染めて、バツが悪そうに目を逸らす。


那月さんが照れている顔なんか見るのは初めてで、
間近で見れるその顔に、何とも言えないくすぐったさがこみ上げた。


「ふふっ……那月さんって可愛いですね」

「はあ?」


思わず笑ってしまうと、その目線はすぐに戻され、
また至近距離のまま、ばちっと目が合った。


その瞬間、心臓がドキッと高鳴る。
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