ワケあり!?社内恋愛
 

 
「あたし……

 ずっと待ってるものがあるんですけど……」


うるさいくらい鳴っている心臓に、気づかないふりをして
多分真っ赤になっているであろう顔で見つめ続けた。


好きっていうコトバも聞けた。

温もりも与えてくれた。

1番にもさせてくれた。


だけど唯一
那月さんからもらっていないものがある。


那月さんもそれがなんなのか気づいたようで
一瞬だけ目を見開くと、頬にかかる髪を耳にかけた。



「汐莉……」



真っ直ぐな瞳で
しっかりとあたしを捉えて
顎に手をかける。


そして……





「……」





あたしの唇に

那月さんの唇が落とされた。
 
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