ワケあり!?社内恋愛





「……」


気が付くと、朝だった。

閉ざされたカーテンの隙間から漏れる朝日。
部屋はもう十分に明るくなっていた。


「……起きた?」
「あ……」


那月さんは、もうずいぶん前から起きているようで、
ベッドではなくて、デスクに座っている。

パソコン画面から、多分仕事をしていたんだと思う。


「体、しんどくない?」
「……いえ…」


しんどくない、と言えば嘘になる。

けっして処女じゃなかったけど、2年以上も誰ともしていなかったし、
昨日の那月さんとの情事は、一回じゃ済まされなかった。


シーツを胸元で押さえながら起き上がって、時計を見た。



「わ……もう10時過ぎてるんですね」
「ああ。寝すぎ」
「それは那月さんがっ……」
「そうだったな」


那月さんも分かっていたようで、とくに否定することなく笑っている。


なんか……

こういうところが大人だよなぁ……。
 

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