ワケあり!?社内恋愛
3章 縛られない
んー…疲れた……。
月末も無事に終わり、ただいま月初。
今週も終われば、経理のあたしの仕事もだいぶ落ち着くはず。
あとちょっと頑張ろう。
だけどその前に少しだけ休憩しようと思い、休憩室に行った。
ガコン…
自動販売機で、いつものブラックコーヒーを押した。
落ちてきた缶コーヒーを手に取って、ぷしゅっと開けながらソファーに腰掛ける。
この開けた瞬間のコーヒーの匂いが好き。
落ち着く……。
コーヒーを一口口に含んで、「はぁ……」と一息ついた。
「あれ?高嶺さんも休憩?」
「あ、……はい」
誰も来ないと思って、気を抜いていたら急に声をかけられ、
だらっとしていた体をまた元に戻した。
「そんなかしこまらなくていいよ」
と笑って、同じように自動販売機に手をかけたのは、
那月さんと同じ部署の倉永さんだった。