ワケあり!?社内恋愛
那月さんはチラリとあたしを見る。
ばちっと目が合って、再び亜由美さんへと向き直ると……
「可愛いんじゃね?」
「おおー!」
「…っ」
予想外の言葉に、返す言葉が見つからなかった。
「いいじゃんいいじゃん!
もう付き合っちゃえ!!」
「ちょっと亜由美さんっ!!」
亜由美さんは、相当酔ってきたのか、大口を開けて笑うと一人勝手に盛り上がってた。
困りましたね、っていう意味で那月さんへ振り返ったら……
「……」
那月さんの瞳は、切なげに揺らいでいて……。
ああ、そっか…。
那月さんの好きな人は亜由美さんで……。
その亜由美さんに、他の女の子と付き合っちゃえ、なんて言われることが、どれほどキツイ言葉なのかを気づいた。
浮かれているのはあたしだけ。
彼の目には、目の前の彼女しかいない。