ワケあり!?社内恋愛
「なにいってんのぉ。
いつもこの二人の面倒をみてるのは、あたしよぉ?」
「はいはい」
亜由美さんは、はっきり言って、酔うとたちが悪い。
そこまでお酒は弱くないけど、いつも飲みすぎてしまう傾向があるのだ。
亜由美さんは迎えに来てくれた俊之さんに、ベッタリとくっついていて……
「……」
やっぱり気になってしまうのは、那月さんの反応。
那月さんはさっきのように切なそうな顔はしていなくて、
「じゃあ、あとはお願いしますね」
と笑顔で俊之さんに言っていた。
「はい!ありがとうございました。
亜由美、帰るぞ」
「はーい」
腕に絡みつく亜由美さんを、引きずるようにして去っていく俊之さん。
その二人の背中は、これから結婚を控えると分かっているせいか、すごく幸せそうに見えて……
「……那月さん…」
彼の背中は、
誰よりもずっと切なく見えた。