ワケあり!?社内恋愛
 
「大丈夫?」


みんなの姿が見えなくなって、心配そうに顔を覗き込んできた倉永さん。

もしかして、急に反応が鈍くなったあたしが、本当に気分が悪くなったと思っているのかも……。


「だ、大丈夫ですっ……。
 ちょっと酔いがまわってきただけですからっ……」


「じゃなくて。
 那月のこと」


「………え…?」



倉永さんの発言に、思わず口を開いたまま、固まってしまった。


「高嶺さん、分かりやすすぎ。
 途中から、ずっと那月のことばっか見てたでしょ」

「……」


まさか倉永さんに気づかれていたなんて知らなくて、どう反応したらいいのか分からなかった。



「あいつもあいつで、
 亜由美のこと諦められずにいるからな」



そしてその発言に、さらに言葉を失うのである。
 

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