ワケあり!?社内恋愛
「なんでだろうなぁ……。
送ったあと、真っ直ぐ帰るつもりだったのに……」
那月さんはため息交じりで言葉を吐くと、またその口元を緩める。
「お前が絶対に不安になって泣いてると思ったら、
勝手にこの駅に降りてた」
「…もうっ…泣きまくりですよっ……」
たまらず抱き着いてしまう体。
那月さんは一瞬後ろへのけぞるものの、その体を抱きしめてくれて……
「何勝手に不安になってんだか……。
送ってきただけだろ」
「そんなのっ……分かってますよぉっ……」
あたしの言葉は、涙で何の説得力もなし。
那月さんは、子どもをあやすようにあたしの頭を撫でた。