ワケあり!?社内恋愛
「さむ……」
季節は11月。
もう冬が近づいてきていて、夜となればコートも必須なくらいになっていた。
さっさと駅へ向かおう。
と思って、足早で歩こうとしたら……
「汐莉!」
後ろから声をかけられた。
振り返った先にいた人物を見て、いっきに体温が上がる。
「那、月さん……」
「お前も今帰り?」
「あ、はい」
「じゃあ、一緒帰るか」
「……はい」
なるべく平静を保って、とくにテンションを上げることなく答えた。
だけど心の中では、
これ以上ないってくらいに気分が上がっている。
心拍数も上昇中。