ワケあり!?社内恋愛
「ふぅ……」
パソコンの電源を切って、大きく深呼吸。
今日の業務も終わり、帰ることにした。
「亜由美さんはまだかかりそうですか?」
「え?あ、うんっ……」
急に話しかけたせいなのか、亜由美さんは少し気のない返事をしていて、ちょっとだけいつもと様子が違うな、なんて思った。
思えば今日は、亜由美さんが喝をいれる姿とか見てないし……。
「どうかしたんですか?」
「……うーん……まあ…」
その質問に、曖昧に答える亜由美さん。
そう答えられると、あたしも次の反応に困る。
「話しにくいことだったらいいですけど……。
でも何かあったら、何でも言ってくださいよ?
亜由美さんはあたしのお姉さんみたいなものなんですから」
「汐莉……。
アンタ、いいこと言うねぇっ……」
亜由美さんは、メソメソと泣くマネをしていて、ようやくいつもの反応が見れたと思った。