ワケあり!?社内恋愛
 
「ふぅ……」


パソコンの電源を切って、大きく深呼吸。

今日の業務も終わり、帰ることにした。


「亜由美さんはまだかかりそうですか?」
「え?あ、うんっ……」


急に話しかけたせいなのか、亜由美さんは少し気のない返事をしていて、ちょっとだけいつもと様子が違うな、なんて思った。

思えば今日は、亜由美さんが喝をいれる姿とか見てないし……。


「どうかしたんですか?」

「……うーん……まあ…」


その質問に、曖昧に答える亜由美さん。

そう答えられると、あたしも次の反応に困る。


「話しにくいことだったらいいですけど……。

 でも何かあったら、何でも言ってくださいよ?
 亜由美さんはあたしのお姉さんみたいなものなんですから」


「汐莉……。
 アンタ、いいこと言うねぇっ……」


亜由美さんは、メソメソと泣くマネをしていて、ようやくいつもの反応が見れたと思った。
 
< 89 / 212 >

この作品をシェア

pagetop