ワケあり!?社内恋愛
「………え…?」
あまりの衝撃的な一言に、あたしの顔はいったいどんな顔をしているんだろう……。
目を見開いたまま、その口で一言発するのでいっぱいいっぱいで……。
「あ、キスって言っても勘違いしないで!
あたしはただの勘違いだし、那月は悪酔い女から解放されるためだし!!
……なんかさ、この前の飲み会のとき、帰り、那月が送ってくれたらしいじゃん?」
「あ、……はい…」
「それで家着いた時、あたしかなり酔っててさ……。
那月を俊之だと勘違いして、キス迫っちゃったみたいなんだよね」
(ほら!着いたぞ)
(んー?)
(もう寝ろ、お前は)
(あ、としゆきぃ……。
今日出張じゃなかったっけぇ。あたしのために帰ってきてくれたのー?)
(……お前…)
(としゆき!ちゅー!!)
(……)
(ちゅーしてくれないと、はなさないぞっ)
わざわざ、その時の状況を説明してくれる亜由美さん。
真っ白になっているはずのあたしの頭に、勝手に流れ込んでくる。
そしていらない想像すらもしてしまう。