消えた玉むし
『彼女』のシュシュ

朝起きると6時半だった。


私は髪にアイロンをかけたり、
肌の手入れに時間がかかるために6時に起きないと間に合わない。
昨日(今日?)遊びすぎたかと、呆けた頭で反省して、朝の騒がしいリビングへ降りていく。
愛犬が何かやらかしたのか、皿の割れる音と母の叫び声が朝一の私の耳に飛び込んだ。


 そそくさにご飯を食べて、
歯を磨いて、制服を着て、髪をとかした。
少しだけ、化粧もした
(よく高校生が化粧何て!といわれるが、高校生だからと言い返すのです)。
鏡で見る私の顔はなんて不細工なんだろう。
髪も多いし、肌はそばかすばっかりだし、
一重だし、本当、いいところが全くない。
仕上げとして髪にスプレーを当てたら、
先が違う方向を向いていたのか、
目に思いっきり入ってしまい
痛くて涙が出た。
余計なことを考えている所為だ。
時計を見ると、7時11分だった。
いけない、はーちゃんを待たせてしまう。
いってきまーす、と軽く言い残して、
朝から賑やかな我が家を出た。



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