桜が咲く頃~初戀~
食事の後、香奈は家の外にある五右衛門風呂に入った。釜で薪を焼べる木の燃える香りが何とも言えない位に昔から好きだった。パチパチと木の燃えて弾ける音が周りの夜の静けさに響いて綺麗な音色を奏でた。
足元から温められるので身体は直ぐに温まり湯冷めしにくかった。
『香奈あ、加減はどうな?』
おばあちゃんは必ず2、3回は風呂の前で湯加減を聞いてくる。その後は何時も何やら忙しく庭を歩き回る足音が聞こえて香奈は笑ってしまうのだった。
「バアちゃん何してんねやろ」
風呂を出ると庭を渡って家に入らなければいけないので雨の日何かは傘をさして行かなければいけないのが面倒ではあるけど香奈はそれも面白く思っていた。
家に入るとおばあちゃんは座敷の火鉢の前で座っていた。
『おばあちゃん、お風呂出たで』
そう声をかけられたおばあちゃんは笑いながら振り向き。
『今日な、太一郎おじが餅拾いにいった言うて持って来たから焼いとったんよ。焼けとるから食べなさいや』
そう言うと『よっこいしょ』と言って立ち上がり部屋の上り口の隅まとめて置いてあった下着と寝巻きとバスタオルを持ってお風呂に行った。そのおばあちゃんの背中を見て「何だか小さく見える」と香奈は思った。
火鉢の中の網の上で赤と白のお餅が丁度いい位に膨らんでいた。おばあちゃんが昔し話してくれたお祝い事があると紅白のお餅を投げて周りの人に配るのだそうだ。
炬燵の上には小さな皿に砂糖醤油が置いてあったので香奈はテレビを見ながら食べた。
つきたてのお餅は柔らかくよく伸びて食べながら引っ張ては口の中に香奈はすすり込んでを繰り返して面白いと思って少し笑ってしまった。
食べ終わるとおばあちゃんが入っているお風呂の前に来た。
何だか、1人部屋に居るのが寂しくなったのだ。
『バアちゃん、湯加減どう?』
香奈は何時もおばあちゃんがしてくれるように聞いて見た。
『いい湯加減や。香奈は湯冷めしたらいかんから早よ家に入りや』
そう言ったおばあちゃんの声が静かな夜に響いた。
足元から温められるので身体は直ぐに温まり湯冷めしにくかった。
『香奈あ、加減はどうな?』
おばあちゃんは必ず2、3回は風呂の前で湯加減を聞いてくる。その後は何時も何やら忙しく庭を歩き回る足音が聞こえて香奈は笑ってしまうのだった。
「バアちゃん何してんねやろ」
風呂を出ると庭を渡って家に入らなければいけないので雨の日何かは傘をさして行かなければいけないのが面倒ではあるけど香奈はそれも面白く思っていた。
家に入るとおばあちゃんは座敷の火鉢の前で座っていた。
『おばあちゃん、お風呂出たで』
そう声をかけられたおばあちゃんは笑いながら振り向き。
『今日な、太一郎おじが餅拾いにいった言うて持って来たから焼いとったんよ。焼けとるから食べなさいや』
そう言うと『よっこいしょ』と言って立ち上がり部屋の上り口の隅まとめて置いてあった下着と寝巻きとバスタオルを持ってお風呂に行った。そのおばあちゃんの背中を見て「何だか小さく見える」と香奈は思った。
火鉢の中の網の上で赤と白のお餅が丁度いい位に膨らんでいた。おばあちゃんが昔し話してくれたお祝い事があると紅白のお餅を投げて周りの人に配るのだそうだ。
炬燵の上には小さな皿に砂糖醤油が置いてあったので香奈はテレビを見ながら食べた。
つきたてのお餅は柔らかくよく伸びて食べながら引っ張ては口の中に香奈はすすり込んでを繰り返して面白いと思って少し笑ってしまった。
食べ終わるとおばあちゃんが入っているお風呂の前に来た。
何だか、1人部屋に居るのが寂しくなったのだ。
『バアちゃん、湯加減どう?』
香奈は何時もおばあちゃんがしてくれるように聞いて見た。
『いい湯加減や。香奈は湯冷めしたらいかんから早よ家に入りや』
そう言ったおばあちゃんの声が静かな夜に響いた。