桜が咲く頃~初戀~
そんな出来事を思い出しながら香奈は歩いた。

初めて「コトダマ」に出逢った日から今まで1度も会えていない。

【心の綺麗な子には奇跡を呼んでくれる】

会いたいと思う想いが強すぎるのかも知れない、そう香奈はふと思いどうする事も出来ない事も気が付いている事に「はっ」としてそれ迄の自分の勝手な思考を止めた。

圭亮はよく「コトダマ」に出逢ったりすると言っていた。

それだけ、圭亮は心が純粋で柔らかく優しく豊かなのだろうと香奈は思うと切なく胸が縮みキュッと身体を自分の両手で抱き締めた。

切ないとはこんな気持ちだと初めて気が付いたのだ。







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