桜が咲く頃~初戀~
『どれ、拓也君お尻見せてみ。バァがどんだけ大っきいタンコブあるか見ちゃるから』

そうおばあちゃんが言うと拓也は両手で慌てながらお尻を庇いながら

『尻にタンコブ何か出来てない!』

と恥ずかしそうに怒りながら叫んだ。

その姿が更に可笑しくて皆はまた笑い出した。その様子を見ながら彩未は玄関先に積もった雪を両手でまん丸にして拾うと拓也にぶつけた。

彩未が投げた丸い雪は拓也のほっぺたに当たり拓也はビクッと身体を震わせて彩未を見てから傍にあった雪を拾うと丸めて彩未に投げ返した。その雪は土が混ざり少し茶色かったので、彩未は『わぁきちゃない!』と叫ぶと更に雪を集めて拓也に投げつけた。こうなったら拓也も黙ってはおらず更に雪を拾うと彩未に投げ返した。

香奈は喧嘩になるのでは無いかと思い2人を止めに入ろうとした時自分の顔にも雪がぶつかって来た。それが飛んで来た方を見ると圭亮が悪戯そうな顔でニヤリと笑っていた。

『え?圭亮君?』

香奈は圭亮を見て呆気に取られていいたら圭亮はまた笑ってから右手に持っていた雪を香奈に投げて来た。

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