桜が咲く頃~初戀~
初めから電波なんて無くスマホの電源が入る訳もなく。そんな事は全く関係無かった。だけど今はSNSが恋しくなって例え繋がらなくても側に置きたかった。


大阪に居た時にしていたSNSゲームもこちらに来てから3ヶ月やっていない。


友達だとしていたSNSの仲間はまだ香奈を友達だと思ってくれているのか?その友達に逃げ込む事も出来ない状況で香奈は縁側で仰向けに寝転がりスマホを胸の上に伏せて乗せるとそっと目を閉じた。


どれ位経ったのか?人の気配で目が覚めた。

『気持ち良さそうに寝てたから』

そう言って圭亮は大切な物を見るかの様に目を細めて香奈を見ていた。

『…』


香奈はそこに居る圭亮の顔が背中にさす光で見なかったのでしばらく寝起きの目をしばしばさせた。

その時土間の側の部屋にある黒い古いダイヤル式の電話が鳴った。


< 45 / 222 >

この作品をシェア

pagetop