桜が咲く頃~初戀~
病院
香奈は圭亮を見た。
『圭亮君、コトダマって?』
圭亮は香奈の好奇心の混じったその問いかけに少し戸惑い静かに笑った。
『桜』
そう圭亮は言うともう何も言わなくなった。
香奈はそんな圭亮いそれ以上何も話しかけられないままゴトゴトとバスの揺れる動きに体を任せていた。
バスはおばぁちゃんの入院している市立病院の前の停留所に停まった。
2人は何も話す事も無く静かにバスを降りた。
病院の中に入ると圭亮は香奈を時々振り返りながら受付まで早足で歩いた。香奈はそんな圭亮に追い付こうと絡まる足をなんとか前に運び早足で歩いた。
胸の中はザワザワと鳴り不安と淋しさが交互に心臓の動きと重なりながらトントンと動く。
圭亮に追いついた受け付けまでたどり着くまで何だか時間が長く感じられた。
『香奈ちゃんバァちゃんは三階の7号室だって』
そう言って圭亮は香奈の左手を掴んで急ぎ足で歩いた。
『圭亮君、そんなに急がんとって』
そう小さな声で言った香奈の声が聞こえて圭亮は立ち止まり香奈の顔を見ることも無く掴んでいた香奈の左手を離した。
『圭亮君、コトダマって?』
圭亮は香奈の好奇心の混じったその問いかけに少し戸惑い静かに笑った。
『桜』
そう圭亮は言うともう何も言わなくなった。
香奈はそんな圭亮いそれ以上何も話しかけられないままゴトゴトとバスの揺れる動きに体を任せていた。
バスはおばぁちゃんの入院している市立病院の前の停留所に停まった。
2人は何も話す事も無く静かにバスを降りた。
病院の中に入ると圭亮は香奈を時々振り返りながら受付まで早足で歩いた。香奈はそんな圭亮に追い付こうと絡まる足をなんとか前に運び早足で歩いた。
胸の中はザワザワと鳴り不安と淋しさが交互に心臓の動きと重なりながらトントンと動く。
圭亮に追いついた受け付けまでたどり着くまで何だか時間が長く感じられた。
『香奈ちゃんバァちゃんは三階の7号室だって』
そう言って圭亮は香奈の左手を掴んで急ぎ足で歩いた。
『圭亮君、そんなに急がんとって』
そう小さな声で言った香奈の声が聞こえて圭亮は立ち止まり香奈の顔を見ることも無く掴んでいた香奈の左手を離した。