桜が咲く頃~初戀~
おばあちゃんのネコ車には沢山の蜜柑が乗っていた。それとおばあちゃんの左手には薩摩芋を干して出来る干し芋が入ったビニール袋を下げていた。

『香奈、常ちゃんがお前に言うてくれたけん食べんかね?』

そう言って袋ごと香奈に渡した。

『もう少し周りに慣れて来てからでえいからいつか常ちゃんにお礼言えたらえいね』

おばあちゃんはそう言ってからおばあちゃんが作る特製の薬草茶をすすった。おばあちゃん特製の薬草茶はおばあちゃんが山にスギナ、ドクダミ、ゲンノショウコウ、ビワ、ハブなど色々な薬草を取りに行き干したり煎ったりしてブレンドしていてこれがまた最高に美味しいのだ。おばあちゃんの優しい香りがすると何時も香奈は思うのだった。





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