桜が咲く頃~初戀~
屋上
『お姉ちゃん、アレ!見て!』
彩未の弾けた高い声の指す方へ香奈は目を向けた。
少し汚れた様に色が所々変わったパンダが風船を持っておどけながら、彩未より小さな子供3人にからかわれていた。
『おーお前!こん中に人間入ってるってお母ちゃんが言ってたで!』
等と言われながら叩いたり押したり蹴ったりされていた。
パンダは、それでも何も言わずおどけながら、避けたり飛び跳ねたり小走りに逃げ回って、まるで楽しんでいるような感じにも見えた。
そんなやり取りを見ていた彩未の顔が曇り出し。口を真一文字にギュと閉めて目はおっきく見開き今にも怒りだしそうになっていた。
そのうち、彩未の足が1歩1歩と前に出て香奈はその様子を静かに見ていた。
その瞬間。
『あんたら!こらぁ!パンダさん虐めたらあかんやんかぁ!!辞めなさぁい!』
と叫んでパンダのもとに走り出した。
彩未は何時からこんな強い子になっていたんだろう?
香奈は知らなかった。知りたいとも思ってなかったし知ろうとする程の関心も無かった。
『ぶす!なんじゃ!うっさいな!』
主犯格であろう男の子が彩未のお下げの髪を左手で掴んで思いっきり引っ張った。それに彩未は少し左膝をカクンッと曲げて斜めに身体を曲げたまま、髪を引っ張って掴んでいる男の子の腕を自分の左手で叩き払った。
『でぶ!』
と叫ぶと彩未は男の子を突き飛ばしてしまった。
男の子は突き飛ばされた勢いで後ろに尻もちをつき、暫く呆気にとられた顔でポカァンと口を開けていたが、負けん気が強いのか?立ち上がると勢いよくすぐ側のパンダを押し倒して近くにいた母親の傍に走り出した。
彩未の弾けた高い声の指す方へ香奈は目を向けた。
少し汚れた様に色が所々変わったパンダが風船を持っておどけながら、彩未より小さな子供3人にからかわれていた。
『おーお前!こん中に人間入ってるってお母ちゃんが言ってたで!』
等と言われながら叩いたり押したり蹴ったりされていた。
パンダは、それでも何も言わずおどけながら、避けたり飛び跳ねたり小走りに逃げ回って、まるで楽しんでいるような感じにも見えた。
そんなやり取りを見ていた彩未の顔が曇り出し。口を真一文字にギュと閉めて目はおっきく見開き今にも怒りだしそうになっていた。
そのうち、彩未の足が1歩1歩と前に出て香奈はその様子を静かに見ていた。
その瞬間。
『あんたら!こらぁ!パンダさん虐めたらあかんやんかぁ!!辞めなさぁい!』
と叫んでパンダのもとに走り出した。
彩未は何時からこんな強い子になっていたんだろう?
香奈は知らなかった。知りたいとも思ってなかったし知ろうとする程の関心も無かった。
『ぶす!なんじゃ!うっさいな!』
主犯格であろう男の子が彩未のお下げの髪を左手で掴んで思いっきり引っ張った。それに彩未は少し左膝をカクンッと曲げて斜めに身体を曲げたまま、髪を引っ張って掴んでいる男の子の腕を自分の左手で叩き払った。
『でぶ!』
と叫ぶと彩未は男の子を突き飛ばしてしまった。
男の子は突き飛ばされた勢いで後ろに尻もちをつき、暫く呆気にとられた顔でポカァンと口を開けていたが、負けん気が強いのか?立ち上がると勢いよくすぐ側のパンダを押し倒して近くにいた母親の傍に走り出した。