少年少女の旧校舎団(仮名)
学校
「ここここ、こんなのおかしいよ!!」
――時計は7時45分を告げた。
中学2年生の夏、陸上部の練習でいつもより張り切り過ぎた私は、いつもより深く眠っていたらしい。
枕に染み付いたヨダレらしき跡がそれを物語っている。
学校には8時10分に入らなくてはならないため、残すところあと25分。
車で行くのに片道8分。
要するに、残すところあと15分。
「仕方無い・・・」
ここはもうあれだ。
大親友である仮病ちゃんを呼ぶしかな・・・
おっと。
今日は来週の遠足に向けての班決めじゃないか。
休んだら面倒な班に入れられるだろう。
それだけは絶対に避けたい。
正直、友達という友達は同じクラスにいない。
だけどあの、無口で喋らない桐生愁也とかいう男の子
あいつだけはどうも苦手なのだ。
何を考えているんだかわからないし、機嫌がいいのか悪いのかさえ分からない。
彼と一緒になるのはどうしても避けたい事態だ。
仮病ちゃん・・・こんな日に限って高飛びか・・・
さあ、残すところあと10分。
どうする私
取り敢えず鼻血かなんかを装って遅刻を・・・
「早く起きろっていってんだろ!!!!!!」
「はーい・・・」
八十神中学2年、津島双葉
本日遅刻の危機に直面しております。