ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
「そんなぁ……。あと二週間も帰ってこないなんて」
珠希から自宅マンションに連絡が入る。
悪阻が長引いていて未だに調子が芳しくなく、もう二週間ほど自宅で療養したいとのことだ。
「……うん。ゴホッ、ゴホッ……。まだ、ちょっとキツイんだ。ごめんね」
電話越しにえづく珠希。辛そうな気配が耳元から伝わってくる。ぼくは少し腹立たしかったのだが、仕方の無いことだ。首をたてに振っていた。
「わかったよ。また楽になったら連絡入れてよな。待ってるから」
そう言って受話器を置いた。心持ちその手は力強かった。
「もう二週間、独りになっちゃうのか……」
退屈ということばが身体の隅々に拡がっていく。仕事から帰ると独りの部屋が待っている。なぜだか殺風景に思えるリビング。珠希の居ない毎日。星空を失った日々。ぼくの身体からいくつもの見えない大事なものが、するりと流れていくようで少しだけ怖くなった。
珠希から自宅マンションに連絡が入る。
悪阻が長引いていて未だに調子が芳しくなく、もう二週間ほど自宅で療養したいとのことだ。
「……うん。ゴホッ、ゴホッ……。まだ、ちょっとキツイんだ。ごめんね」
電話越しにえづく珠希。辛そうな気配が耳元から伝わってくる。ぼくは少し腹立たしかったのだが、仕方の無いことだ。首をたてに振っていた。
「わかったよ。また楽になったら連絡入れてよな。待ってるから」
そう言って受話器を置いた。心持ちその手は力強かった。
「もう二週間、独りになっちゃうのか……」
退屈ということばが身体の隅々に拡がっていく。仕事から帰ると独りの部屋が待っている。なぜだか殺風景に思えるリビング。珠希の居ない毎日。星空を失った日々。ぼくの身体からいくつもの見えない大事なものが、するりと流れていくようで少しだけ怖くなった。