ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 まだサイトの中に入るわけでも無かったので、三上のことばをこころに留めながら、ぼくは美帆子にメールを送信した。

『直アドありがとう。今、話せますか?』

 一分も経たないうちにメールが返ってくる。

『暇ですよ〜! ショ−ゴさんは何歳ですか?』

 それから少しの間、会話が続いた。

『え〜三十です。おやじですか?』

『いえいえ、全然ですよ。ご心配なく♪ わたしもクリスマスが来てしまったので。』

『良かったです。そう言ってもらえて。美帆子ちゃんはどんな音楽のジャンルが好きですか?』

 ありきたりな質問。ちょっとばかし恥ずかしい。

『何でも聴きますよ。ポップスからHipHopまで』

 お互いの緊張もほぐれてきて、弾む会話。どうやらサイトバイトでは無いようだ。

『美帆子ちゃん、写真交換しませんか?』

 ぼくは思い切って、写メの交換を要求してみた。

 少しの間があって、自信なさ気にメールが届く。

『え〜、今太ってんだよねぇ…。』

 渋る美帆子。思い出した。プロフィ−ルの内容を。
「あ! かわいい度2だったっけ? でもおんなの子は謙遜するからなぁ」

 ひとりでブツブツと喋りながら、パソコンの中に保存されている自分の写真を、メールに張り付けて美帆子に送信。そのまま夕食の後片付けをしようと立ち上がると、美帆子からのメールが届いた。ぼくがメールを送信してからわずか一、二分。返信メールがパソコンに届いた。
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