ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
「土星だよ」
「ほんとにドーナツがついてるんだ」
土星の周りに連なっている輪を見て、久留美がはしゃいだ。
天王星がコバルトブルーの光りを発しながら、ふたりを祝福してくれると、今度はふたりの肌が寒さに緊張する。
「寒いよ、ショーゴ君」
太陽から離れ海王星に近づくと、極度の寒さがふたりを襲ってくる。
「もう少しだよ。もう少し……」
久留美を抱きしめ、ぼくはささやいた。
「冥王星だよ、久留美ちゃん」
ぼくたちは身体を繋げたまま、太陽系最遠の惑星までたどり着いた。
「ねぇ、ショーゴ君、冥王星って確か……」
「そうだよ。ニュースでも放送していたけれど、太陽系の惑星から外されたんだよ」
「そうやんな、テレビでなんか言っていた記憶があるわ」
ちいさい星である冥王星、通称ブルート。惑星から矮惑星に降格された。
「でもね、久留美ちゃん、惑星とか銀河とか、太陽系ってことば? そんな区別や名前を勝手に付けているのはぼくたち人間なんだよね」
「うん」
「ぼくたちよりも遥か昔から存在しているのに、もしかしたら本名がちゃんとあるかもしれないのに、勝手に名前を付けて」
「本名? ショーゴ君、面白い!」
くすくすと笑いながら、必死にしがみ付く久留美。
「うん。でもね、冥王星は昔からこの場所に存在していて、遠くから地球を見ていたんだよ。惑星から除外されたけど、それは、人間が勝手に決めたことで、冥王星は何も悪いことなんてしてないんだよね」
「うん、そうやんな。冥王星は悪くない」
「だよね!」
ぼくと久留美は冥王星の直ぐ側でキスをする。そして寒さにこらえながらふたり抱き合っていると、鼓膜を突き破るような大きな音が鳴り響き、目の前を巨大な彗星が通り過ぎる。
「ほんとにドーナツがついてるんだ」
土星の周りに連なっている輪を見て、久留美がはしゃいだ。
天王星がコバルトブルーの光りを発しながら、ふたりを祝福してくれると、今度はふたりの肌が寒さに緊張する。
「寒いよ、ショーゴ君」
太陽から離れ海王星に近づくと、極度の寒さがふたりを襲ってくる。
「もう少しだよ。もう少し……」
久留美を抱きしめ、ぼくはささやいた。
「冥王星だよ、久留美ちゃん」
ぼくたちは身体を繋げたまま、太陽系最遠の惑星までたどり着いた。
「ねぇ、ショーゴ君、冥王星って確か……」
「そうだよ。ニュースでも放送していたけれど、太陽系の惑星から外されたんだよ」
「そうやんな、テレビでなんか言っていた記憶があるわ」
ちいさい星である冥王星、通称ブルート。惑星から矮惑星に降格された。
「でもね、久留美ちゃん、惑星とか銀河とか、太陽系ってことば? そんな区別や名前を勝手に付けているのはぼくたち人間なんだよね」
「うん」
「ぼくたちよりも遥か昔から存在しているのに、もしかしたら本名がちゃんとあるかもしれないのに、勝手に名前を付けて」
「本名? ショーゴ君、面白い!」
くすくすと笑いながら、必死にしがみ付く久留美。
「うん。でもね、冥王星は昔からこの場所に存在していて、遠くから地球を見ていたんだよ。惑星から除外されたけど、それは、人間が勝手に決めたことで、冥王星は何も悪いことなんてしてないんだよね」
「うん、そうやんな。冥王星は悪くない」
「だよね!」
ぼくと久留美は冥王星の直ぐ側でキスをする。そして寒さにこらえながらふたり抱き合っていると、鼓膜を突き破るような大きな音が鳴り響き、目の前を巨大な彗星が通り過ぎる。