ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 ぼくは部屋に戻り熱いシャワーを浴びて、身体に染み付いた久留美の香りを洗い流す。弾ける水しぶきの中で、ふたりではしゃいだ昨夜の出来事を想い更けた。


 濡れた身体をタオルで拭き上げ、携帯を手にとり事務の女の子に「今日休みます」とメールを送る。

「寝不足だよなぁ」

 ぼくは裸のままソファーに腰掛けて、久留美に送るメール文を考えた。

「まだ車の中かなぁ」

『昨日は本当にありがとう。すごく楽しい夜でした。また遊ぼうな! では、おやすみです。』
 
 あたまの中に久留美のシルエットを思い浮かべる。

「あ! 名前聞くの忘れたなぁ……、名字。ぼくもちゃんと教えてないし(笑)」

 本当におかしな話し。お互いのフルネームも知らないなんて。ぼくはふたたびあのCDを聴くために、ステレオをONにする。久留美とサイトで出逢ってから、何回この曲を聴いただろうか? ぼくのこころに染み付いたメロディ♪ 久留美はストレイ・キャット。

「さぁ、寝ようか」


 ベットルームに入り、裸のまま白いシーツに滑り込む。ぼくは深い眠りに落ちていく。


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