のばしたこの手は届かない。
教室行かないと…あ、そういえばエレナから頼まれてたんだった。

「先生、これどうぞ。エレナからです。」

「あぁ、ジャージか。朝霧は?」

「エレナ今日休んでるんです。熱が出て。」

「そうか。ありがとう。」

「僕は小さい頃からずっとエレナの隣にいたんです。だから絶対あなたにエレナは渡さない。」

「それを決めるのは朝霧だ。」

「失礼しました。」

バタン!

イライラして保健室のドアを力一杯閉めた。
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