のばしたこの手は届かない。
家について荷物をおいたらすぐエレナの家に行った。

ピーンポーン
ガチャ

「桜ちゃん?」

ギュ

「ごめん、エレナ、気づかなくて。」

僕はエレナを抱きしめた。

「桜ちゃん?どうしたの?苦しいよー。」

「エレナが僕のせいで嫌がらせされてるなんて知らなかった…」

「私は大丈夫だよ!熱だってもう下がったし、ほら!この通りピンピンしてるよ!」

「ごめん…。」

「いいってば!でもちょっと苦しいから離して欲しいな…」

「あ、ごめ…。」

「フフッ桜ちゃん汗だくだね、走って帰ってきてくれたんだ?」

エレナにそう言われて自分が汗だくなことに気づいた。

「ほんとだ…一生懸命だったから。」

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