のばしたこの手は届かない。
「ありがとう。そんなに心配してくれて。上がって?部屋涼しいから。」

「うん。」

「どうぞー座って。お茶でいい?」

「ありがとう。あのさ…エレナ。」

「なぁに?」

「しばらくは、八嶋先生に送ってもらった方がいいと思う。」

…本当は嫌だ。八嶋をエレナに近づけたくない。

でも、エレナの安全が一番だから…。

「うん。わかった。そういえばそろそろ花火大会だね!」

「そうだね。楽しみだなあ。」
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