変わりゆく華たち 第一幕 散ル華




「山野、市村……
何か文句でもあるのか?」



元二番組、元八番組の二人だ。


ほかの者はもう腕立ての準備をしている。



「そんな!文句なんて!!」



「あるわけないじゃないですか!」



どこで打ち合わせしたんだと云いたいほど
二人は息を揃えたように応えた。



「丁度終わった頃には朝餉の頃だろう。
あぁ、100回終わらせないと朝餉はお預けだからな」 



「「えぇぇえーー!!」」



「では、腕立て100回 始め」



二人の叫び声を無視して腕立てを開始させた。





『ーーいいか、伊織。刀などを振るうときは、腕の力がとかがないと自分の思うように振れない。


だから頑張って剣術の稽古に勤めなさい。』



『はい、とーさま!』



昔、初めて竹刀を持ったとき
父様から教えられた言葉。


あの言葉どうりに毎日稽古に励んだ。


だがあの日を境にーーー


私たち“鬼一族”の村は壊されていった。



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