変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
まずその呼び名で呼んで言い訳がない。
恥ずかしい。
そして客に接客をさせるなんてどうかと思う。
自分が営んでいるからと言って、客に任せるか?普通。
最後に巧さん。
あなたは確かに甘味を作る腕は
確かで天才だと思うが、
その呼び名の名付けかたは全く天才ではない。
むしろ酷い、止めてくれ。
会うたびその呼び方をするつもりか。
そんなあなたは天才と呼べるはずがない。
「あら、行っちゃった」
百合さんそうじゃないです。
今とは言わないが説得してください。
――――――――――
それからグタグタと時は過ぎ、
団子をしっかり食べることなく、勘定を払い店を出て行った。
それから今日までの三日間ここに通っているが、その呼び名は直されるはずがなく終わっている。
「いやー、それにしても
いつ見てもいい顔立ちしてるな?羨ましいぞ?
さすが色男ちゃん!」
ハァ……勘弁してくれ…
ほら見ろ、店の客の視線が俺たちの方に向いているだろ。
笑ってくれてるがほとんどが苦笑いだ。
たった三回とはいえ、毎回こんなことをしてたら注目の的になるのは予想がつく。
だから--
「……?」
外で何かやってるな。
店の前がやけに騒がしい。