変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
店内にいる人の視線は店の前の人ざかり。
「何かしら?」
「百合、お前は行くな」
百合さんが前に出ようと同時に、その行動を止めるかのように腕で動きを静止される。
巧さんを見上げる視線は不安げなもの。
「大丈夫だ。俺が--」
「俺が行ってきます。その代わり今回の勘定はなしにしてください」
そう言って足を前に踏み出す。
周りの視線は店の前の人ざかりから
俺にくるものとなった。
後ろからは
「やめとけ!」
「危険すぎる!」
など引き返すような指示が飛んでくる。
だけど俺はそれには従わない。
どんな奴がどんな理由で争っていようと、俺は騒ぎを起こす奴らには負けない。
店の出入口に近付くにつれ、
声は大きくなって行く。
ゆっくりとした足取りで俺はそこに向かう。
―――何年経とうとあんたらは何も変わらないんだな。
いろんな奴らに迷惑を欠けている。
なのに何故それが分からない、理解できていない、そんなあんたらは---
俺が潰してやるよ?
だから覚悟しとけ。
俺は人ざかりに入りながら和の中心に入っていった。