変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「っ…!貴様!!
俺らが誰だかわかってその口を聞いてんだろうなぁっ!!!」
酔っぱらいは気が短いんだな。
そもそも、そんなこと言われても分かるわけがないだろ。
初めてあった人間を“はい、勿論知ってますよ。”なんてなったら怖いだろ。
「俺らはなぁ、この町も守っている武士様なんだよ!ガキは引っ込んでな」
「あと後ろ居る女をこっちに寄こしな。寄こすならテメェのことを見逃してやる」
ギャハハハと嘲笑う三人の男。
品のない笑い方だな。
「さぁ、その女をこっちに――」
「断る」
この町を守る武士様?
その武士様がこの町にいる人間を怖がらせてどうする。
そんな奴らのどこを見て信用しろと?
だいたい、あんたら人間の事なんかこれっぽっちも信用していない。
俺は被っている笠を顔が見えないように頭に押し付けた。