変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「だーかーらー、待ってくださいってば。あなたを逃したら僕があの鬼副長に怒られるんですよ?あの人のお説教は長いんですよ?それを僕に味わえと言うんですか?」
知るか。
勝手に永遠と怒られとけばいい。
第一あんたが油断するからこうして俺に逃げられるんだ。まあ、俺はその逃げる機会を与えてくれたから嬉しいけど。
それにしてもコイツ、足が速い。
だんだん距離が短くなってきている。いい加減何処かでコイツをまかないと本当に捕まる。
あの人混みの中に入るか。
俺は更に走る速度を上げ前にある大きな人混みの中に紛れ込んだ。
そして四半刻(30分)後、ようやく壬生浪士組のあの男をようやく巻くことができた。
「ハァ、ハァ、ハァ……
あの男……いつまでもしつこいんだよ。淡々と追ってきやがって…!」
そう、あれから俺はしばらくの間、あの男に追いかけられたままだった。
そして、この出会いが後に
俺や壬生浪士組のみんなの運命を変える出来事になる。