変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
嗚呼、そうか。
こいつがどうして
震えていたのか、
後ろへ下がって行くのか、
恐れているのか、
やっと分かった。
そうだよな。
だって今俺、左手に刀握ってる。
それは、怖い思いしたかな?
けどさ、“人間”と一緒にされるのは屈辱的だよ。
だって俺、
あんたらみたいな人間が一番大嫌いだからね。
良い人間がいる事はもちろん知っている。
けどさ、俺の大事な、大切な人たちを奪っていった―――……は大嫌いだ。
それは斬っちゃっても仕方が無いのかな?
「フッ、フフフッ、アハハハハ」
こんな時までも、狂ったように笑う俺は可笑しいのかな?
ねぇ
父様、母様。
俺はどうしたらいい?
あの時逃げずに一緒に戦っていたらこんな事にはならなかったのかな。
――――会いたいよ。