変わりゆく華たち 第一幕 散ル華




「俺はあんたら長州藩士のこと大嫌いなんだよ」



昔、静かに暮らしていた郷が躊躇いもなく燃やされ、殺されていく記憶が走馬灯のように頭の中に流れる。



「家族、一族はあんたら長州藩によって、あっという間に消されていった。



俺が今からその人たちの敵をとるけど……





文句はないよな?」



左手に持っている刀を握り直す。



「…っ!!仲間の敵だぁぁああ!!こいつを殺せぇぇぇええ!!」



誰かの声で一斉に刀を抜いてこちらを走ってくる。


暗闇の中、人間たちは月明かりを頼りに攻撃を仕掛けてくる。


俺はその攻撃に当たらないように避けて行く。


本当はさっきの男見たく、一気に殺したいが今はこの状況を楽しもうかな…?



あっという間に殺してしまうのは、なんだか勿体無い気がする。



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