変わりゆく華たち 第一幕 散ル華




刀を握り直し、目の前にいる男の腕を軽く斬った。



「う゛っ!?
…ハッ、昼間とは違ってずいぶん腕が落ちたじゃねぇかよ。この人数に怖気づいたのか?」



こいつは昼間の酔っ払い浪士
三人組のひとりか。



「別にあんたらごときに怖気づくわけないだろ」



「言ってくれるじゃねぇか…!!」



次々と迫ってくる浪士の腕や足、胴体を斬りつけながら相手の攻撃を避けていく。



が……




つまんないな…。





先程から同じことを繰り返し、浪士たちも体力が無くなってきたのか動きが鈍くなってきている。



俺は一度、浪士たちと距離を取るために後ろに飛び退いた。


周りには息を乱す浪士十二人。



「本当はもう少し遊んでいたいが、ここまでた」



< 38 / 108 >

この作品をシェア

pagetop