変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
俺は刀を一度鞘に収め、浪士たちの方へ走って行った。
そして、走っている途中で
刀に手をかけ一人の浪士を斬り殺した。
浪士は地に向かって倒れ、その地面を赤黒く染めていった。
それを横目に見ながら淡々と浪士たちを斬っていった。
返り血を浴びる隙なく。
暫くすると浪士は皆、絶命した。
俺の周りにあるのは、
斬り殺していった浪士たちが流した血の臭い、
そして、
浪士十二人の死体だけ。
「案外しつこかったな…やっと終わった……
訳でもなさそうだな」
斬り合いを始めた頃からある誰かに見られているような視線、そして遠くから迫ってくる二人ほどの足音。