変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
まずは、あんただ。
口の悪いと男ではない、もう一人の男の方に刀を振り上げる。
――キンッ
刀と刀がぶつかり、小さな火花がたつ。
「……!!
へぇ、つよいね、君!」
「それはどうもっ!」
強い、なんて言っているがあんただって強い。
先程のやつとは比べ物にならないほど。
構えだってしっかりしている。
「っ…!
さすが、昼間の浪士たちを倒しただけある、ね!!」
…?
なぜこの男が知っている。
何処かで隠れて観ていたのか?
だとしたら、とんだ悪趣味だな。
……いや、そうだとしたら、距離はかなりあったはずだ。「視力がとても良いんです」と言ったとしても人間離れしすぎている。
それに、いくら一番前で見ていたとしても距離はそれなりに空いていたはず…
そもそもこの薄暗い中、何故昼間の人物だと分かるんだ。
着ているものは確かに、昼間と全くと言っていいほど変わっていない。