変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「えーー、本当に覚えてないの?」
何がそんなに不満なんだ。
悪かったな、覚えていなくて。
「じゃあ、教えてあげるよ。
僕と君の出会いは、昼間の浪士たちを倒したあとさ」
昼間の浪士を倒したあと…?
俺は頭の中で昼間の出来事を思い出す。
昼間、甘味処を出たら、酔っぱらい浪士三人が女の人を絡んでいた。
そのあと俺はその女の人を助け、酔っぱらい浪士三人を倒した。
そして女の人がお礼を言っている時に、“壬生浪士組”の集団が目に入った。
浪士三人を倒したことを聞かれても面倒くさいと、その場から立ち去ろうとしたら、ニコニコと笑っていた男に―――
まさか!!?
ハッと思い出し伏せていた顔を思い切りあげた。
「あっ、やっと思い出せたんだ」
この男は―――