変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「昼間の壬生浪士組の……!」
やたらしつこく追いかけまわして来た、足の速かったあの男だ。
「せ〜か〜い!!
やっと思い出したんだね。遅いよ〜」
ニコニコと微笑みながらそう言う。
「あー、ちなみに僕の名前は沖田総司〈おきたそうじ〉。一番組組長だよ」
沖田総司――――。
その名は、“壬生浪士組”という名と共にこの京の町に広がっていったらしい。
肌の色は白く、髪色は茶色、そして整った顔立ち。
そして。
とても強い剣士、だということ。
(あー、因みにこの情報も巧さんから聞いたものだ。
というより、聞かされたものだ。)
―――ビュン
「っ…!!」
「敵を目の前にして考え事か?」
背後から風を斬る音が聞こえ素早く横へ避けた。
もう少し反応が遅かったらアレの餌食だったな…。