変わりゆく華たち 第一幕 散ル華





横から切っ先がキラリと光り見える。



それを持っているやつに目を向ける。



「テメェの敵は目の前にいる奴だけじゃねえってことを、忘れてねぇだろうな?」



いや、


そんな忘れるなんて………





「悪いな。


すっかり忘れてた」




「ブッ!!」



「総司っ!!テメェ笑ってんじゃねぇっ」



「だ、だって、土方さ…ククッ」




涙を流してるのだろうか、目元をゴシゴシと擦りながら笑いを耐え、言い訳をしてる沖田総司。


そして、そんな男を怒鳴るこの男。





……帰ってもいいのか?



「…おい、どこに行くつもりだ」



俺がその場から離れて行くのが分かったのか、ドスの効いた声で俺の足を止めた。



「勝手に動いてもらっちゃ、こっちは困るんだよっ!」



そして、俺の方に向かって走ってきた。




―――キンッ


今度は避けずにその刀を受け止める。


刀と刀がぶつかり合う音は、静かなこの場所にはよく響いっていった。



< 47 / 108 >

この作品をシェア

pagetop