変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
横から切っ先がキラリと光り見える。
それを持っているやつに目を向ける。
「テメェの敵は目の前にいる奴だけじゃねえってことを、忘れてねぇだろうな?」
いや、
そんな忘れるなんて………
「悪いな。
すっかり忘れてた」
「ブッ!!」
「総司っ!!テメェ笑ってんじゃねぇっ」
「だ、だって、土方さ…ククッ」
涙を流してるのだろうか、目元をゴシゴシと擦りながら笑いを耐え、言い訳をしてる沖田総司。
そして、そんな男を怒鳴るこの男。
……帰ってもいいのか?
「…おい、どこに行くつもりだ」
俺がその場から離れて行くのが分かったのか、ドスの効いた声で俺の足を止めた。
「勝手に動いてもらっちゃ、こっちは困るんだよっ!」
そして、俺の方に向かって走ってきた。
―――キンッ
今度は避けずにその刀を受け止める。
刀と刀がぶつかり合う音は、静かなこの場所にはよく響いっていった。