変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
沖田総司はただ、目の前にいる俺がどのように動くのか。
沖田総司の隣に立っている男は、俺を真っ直ぐ、射ぬくような目で。
俺の動きをじっと観ている。
俺は息を整えながら、笠の間から見える
目の前の男の動きを観る。
俺が今、どちらかに片方に刀を振り下ろしにいけば、もう一人に背後やらをとられ負ける。
だが、いつまでも此処でじっと動かず、
相手の出方を見ていれば、時間はかなり取られる。
どうすればこいつらを巻くことができるのか。
走って逃げるなんてものも良いが、
今の俺の体力では、俺はすぐに捕まる。
どうすればこの状況を、この事態を、回避することができる?
そう考えてるさなか、後ろからジャリ、と
砂が踏まれる音がした。
そして振り向くより早く、
俺の首にトン…っと衝撃が走った。
目の前が薄暗くなった。
遠く、近いような所で何かが落ちる音が聞こえた。
あ、れ…?
可笑しいな、
目の前が真っ暗に染まっていく。
「な、に……」
そして俺はまもなくして
完全に意識を何処かへ飛ばした。