変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
第弐章
壬生浪士組屯所
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ふと目を覚ますと、茶色い木目模様の空が見えた。
………。
(茶色い木目模様…?)
瞬きをいくつかする。
景色は至って変わらない。
(はて、空の色ってこんな色をしてたか?)
目覚めたばかりで、あまり動かない頭の中を動かして考えてみる。
えー、
晴れてる時は、薄い水色。
曇の時は、少し薄い灰色。
雨の時は灰色に、雨の透明な色が交じる。
(茶色い色の空なんてどこにも見つからない…)
いや、そもそもそんなもの見たことない。
寝転がっている所から、上体を起こす。
(部屋…なのか?)
俺の周りには机と、その上に置いてある硯と筆と墨、座布団、箪笥、そして俺が今使っている布団。
一言で片付けるなら殺風景な部屋だ。
必要最低限なものしか置いていない。