変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
(なんか痛い)
そして、痛みがある首元に触れてみる。
軽く押すだけで痛みがくる。
一体何が……
浪士を斬って……ああ、そうだ。
壬生浪士組の奴らに合ったんだ。
それで奴らに捕まって、刀をぶつけあった。
暫く殺り合って、体力が切れてどう出るか考えいたら首に痛みが走って……
そうだ、そこで意識が途切れたんだ。
ボーッとしていた頭が、しっかりと思い出していく。
(チッ、感覚が鈍ってきたな)
此処はもしかして、奴らの屯所なのか?
もう一度あたりを見渡すと、布団の近くに二本、刀があるのに気付いた。
一本は打刀、もう一本は小太刀。
黒と赤の柄、そして小太刀には小さな鈴が付いている。
あれは―――
父様と母様が残した形見。