変わりゆく華たち 第一幕 散ル華




長刀は父様が以前から使っていたのを、ある日を堺に俺が貰ったもの。


小太刀は父様の家に代々伝わる物を、幼い頃私に譲ってくれた。



まあ何はともあれ、刀が近くにおいてあってよかった。


場所が分からない所をウロウロ歩きまわる羽目になる所だった。



が、



(怪しいと疑った者の荷物である刀を普通置いておくものなのか?)




と、俺は不思議に思う。



俺だったら刀であろうと、大切な物であろうと、自分の所で厳重に保管する。



もちろん疑いが晴れたら本人の元へ返す。



人間はこんなものだったのか?



こいつらが特殊なだけなのか?



(まあ今はとりあえず、ここから出る方法を考えるよう)



俺は頭を切り替えらせる。



この場所は恐らく、否、絶対に壬生浪士組屯所の一室である。そこで俺は監禁されている。




< 52 / 108 >

この作品をシェア

pagetop