変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
長刀は父様が以前から使っていたのを、ある日を堺に俺が貰ったもの。
小太刀は父様の家に代々伝わる物を、幼い頃私に譲ってくれた。
まあ何はともあれ、刀が近くにおいてあってよかった。
場所が分からない所をウロウロ歩きまわる羽目になる所だった。
が、
(怪しいと疑った者の荷物である刀を普通置いておくものなのか?)
と、俺は不思議に思う。
俺だったら刀であろうと、大切な物であろうと、自分の所で厳重に保管する。
もちろん疑いが晴れたら本人の元へ返す。
人間はこんなものだったのか?
こいつらが特殊なだけなのか?
(まあ今はとりあえず、ここから出る方法を考えるよう)
俺は頭を切り替えらせる。
この場所は恐らく、否、絶対に壬生浪士組屯所の一室である。そこで俺は監禁されている。