変わりゆく華たち 第一幕 散ル華




この部屋の場所がどこにあるか分からないが、その辺りを気を付けて歩きまわれば、いづれ出入口がわかるだろう。



さて、やるべきことは決まったからそろそろ出て行くとしよう。


そうだな…。
まず最初にやるのは、一応寝かせてもらっていた布団をたたむことだな。


いくら勝手にこの場に連れて来られたにしろ、それなりの礼儀というか何と云うか……。


そのぐらいはしておく。



本当はしたくな…、さて行動に移そう。



―――――――――――――――




(…終わった)



布団は襖のなかではなく、部屋の片隅においておいた。


そして丁寧に畳んだ。


雑に畳むという手もあったが、改めて見ると汚らしく、いい気にもならなかったからそれなりに畳んでおいた。




(忘れている物はなさそうだな)


部屋をもう一度見回し、自分の身に付けているものを見る。


部屋の中には特に無さそうだ。


刀はしっかり二本差しているし、長着と袴だっ、て……。



(確か…いや、確実に黒い長着と袴を着ていた筈なのに、なぜ藍色の長着のみを着込んでいるんだ!)



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