変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
まさか、な…。
全身から血の気が引いていく。
着替えさせられたとかないよな?
だとしたら困る、普通に困る!
まずいつ着替えさせられた?
誰に着替えさせられた?
…いつ、と云ってもおそらく此処に着いたとき、だよな?
いや、そんな事よりも重要なのは誰が着替えさせたかだ!
聞いての通り一人称は『俺』。
そして容姿は男装。
つまり、ある一部の人間を除けば俺は男と見られている。
奴らと殺り合いかけた時だって、俺は男として見られていたはずだ。
それをどうだ。
奴らに見られたとしたら……
「あの…入ってもいいですか?」
畳にしゃがみ込んでいると、廊下から控えめに声がかかった。
「え…あ、どうぞ?」
スッ――と襖が開く。
そこにはまだ幼さが残る背の低い男がいた。
茶色い髪は頭の一番高い所で結っている。