変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「お、オナゴなのですか?」
藤堂は口をパクパクさせながら俺に問いかける。
藤堂だけでない。
皆が皆、驚いた顔をしている。
いや、山南さんだけは『やはり…』というような顔をしている。
というより、俺はまだ【女】とは言ってないけどな。
「普通に見れば分かんだろうがよ。首を見れば一目瞭然じゃねぇか。」
土方はそう言いながら、スッと首に手を伸ばしかける。
俺はその手を素早く掴んだ。
「…っ、いい加減にしろ、いつまで乗っているつもりだ!!」
土方に怒鳴りつけてると、近藤さんは現状を思い出したのか、
「コラ、トシ!!お、オナゴである伊織くんの上にいつまでいる気か!?」
と、土方を退かしてくれた。
「ふぅ…伊織くんさっきはトシが済まなかったな。
確認のためにもう一度聞くが本当にオナゴなのかい?」
緊縛した空気になり、辺りが静かになる。
聞こえてくるのは風の音のみ。
小さく、息を呑む音も聞こえる。
「俺……いや、私は正真正銘の女」
小さな声でそう答える。
だけど私は、そこらにいる女とも、お前ら人間とも違う生き物だ。