変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
「日向……、あそこにいるのって…」
「あ、ああ…、でも、そんなわけが…」
だってそんなことあるわけがない。
俺たちがどこを探しても見つけることが出来なかった。
いろんな者たちの手を借りても見つけることすら出来なかった。
けど、そこにいるのは、俺たち二人が探していて、とても大切な方で、どんな時でも一緒にいた――――
「伊織…さ、ま?」
彰が小さく呟いた。
「彼は神崎伊織くん。今日からここに住むことになった子。みんな、よろしくしてあげてね」
沖田組長がそう紹介する。
やっぱり見間違えじゃない。
「………」
俺は黙って…いや、呆然として伊織様を、伊織を観ていた。