変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
俺は奴の攻撃を防ぐように弾いていく。
にしてもコイツ、
女…なんだよな。
この小っせぇ身体と、細い腕にどれだけ力があるんだ。
体力だってその辺にいる女の倍はあるはずだ。
それから相手の急所を的確に狙ってくる動き。
この俺だってやっと避けれるくらいだ。
いってぇ何があったら、こんなふうになるんだよ。
今までどれだけの人を殺してきたんだよ。
「ッの!!」
―――ガンッ
奴が振り下ろしてくる木刀を止める。
その時、
「…っ」
ふと、背筋が凍えた。
空気が冷たいと表現すればいいのか分からねぇが、急に空気が変わりだした。
ちょうど背後からだ。
そう思ったさなかだ。
右耳の方から今までと比べものにならねぇほど、風を斬るときの音が聞こえた。
―――ガンッ!!
俺は咄嗟に木刀でそれを防いだ。