変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
眉間にシワが寄ったのがすぐにわかった。
「近藤さん、いつ俺が零番組組長になることを承諾しましたか?」
「承諾なんかもらってねぇよ。
嫌でもやってもらうからな。」
巫山戯(フザケル)な。
早く此処を出たいというのに
何故俺が組長をしなくてはならない。
「局長、副長。」
動揺がある中、一人の隊士が手を挙げながら立ち上がった。
「例え局長方が決めたことであっも、
俺は今日入ってきたヤツを認めるのは嫌です。」
「お、俺もです。」
一人の隊士が言うと口々に他の隊士たちも言ってきた。
まあ確かにそうだろうな。
いきなり来た奴が、
ここの組長をやります
と云ったところで誰も賛成するやつなんかいないだろう。
組長…その組みをまとめるには、
行動力や発言力など、それぞれ個々の力がなければやっていけない。
そのうえ隊士を護る役目もある中、己の仕事をこなす。それが全て上手くいくことがないことも承知の上で動いているはずだ。
つまり、いきなり来た奴に己の命を預けることなんてできない。
戦いの場で何があるか判らない。
いつ死んだっておかしくはないからな。